すると男の子の投げたボールは堂林選手の元へ

すると男の子の投げたボールは堂林選手の元へ。背中に命中すると、少し痛がる様子。それでも転がったボールを自ら取りに行き、笑顔でボールを渡していました。「おお~い! こっちこっち!」
「待ってよ~!」
「ほらっ、早くしないと置いてっちゃうぞ」
今日は日曜日。小学校低学年くらいの小さな子供達とお父さんお母さん達が公園で遊んでいます。
そんな様子をベンチに座りながら眺めている二人――
「あ、あの……お二人とも本当に良かったんですか?」
「何がだ?」
「だから、その……」
「ああ、気にするなって。俺達も好きでここにいるんだからさ」
「でも――」
「それより、お前は大丈夫なのか? 体調とか悪くなったらすぐに言えよ」
「はい、ありがとうございます」
ベンチに座っているのは、俺と宮下。そして俺の膝の上には宮下の子供である陽太がいる。なぜこうなったのかと言うと……
時間は数時間前に遡る。
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「ねえ、ちょっと良いかな?」
それは俺が仕事を終え、会社を出てすぐのこと。後ろから誰かに声を掛けられた。
振り返るとそこには、俺と同じ歳くらいだろうか、一人の女性が立っていた。
(誰だこの人)
見覚えのない女性に、俺は首を傾げながらも返事を返す。
「……えっと、どちら様ですか?」
「あっ、ごめんね急に声掛けて。私、こういう者なんだけど……」
そう言って彼女は一枚の名刺を差し出してきた。